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KnoNの学び部屋

落ち着きのない大学院生が専攻に関係ない(むしろそっちのけで)学んだコトを記録しておく場所

現代思想の教科書 その5

7.『現代思想の教科書』

台風が来ているらしいですね。

今週末はどれくらい荒れるのか。

 

引き続き

現代思想の教科書 (ちくま学芸文庫)石田英敬、2010)

5 文化の意味 ー「構造主義革命」以後ー

をやります。

 

現代思想の教科書 (ちくま学芸文庫)

現代思想の教科書 (ちくま学芸文庫)

 

 

5 文化の意味 ー「構造主義革命」以後ー

 20世紀に起こった「構造主義」は、従来の理念や価値観に基づいた思想運動とは異なり、人間科学・社会科学・文化などの研究の領域における学問の認識や方法をめぐって起こった知の革新の動きである。

 本章ではその意義について考える。

 

 

すべては「意味のシステム」としてある

 構造主義(structuralism、仏structualisme)は、ソシュールの「一般記号学」の提唱を受け継ぐ形で発展した。

人間の文化全般を「意味のシステム」として、主に「言語」をモデルとして研究する試み。

 

 この動きを先導した代表的人物の一人が、ロシアの言語学ロマン・ヤコブソンである。ロシア・フォルマリズムからプラハ構造主義を生み出し、のちにフランスの文化人類学クロード・レヴィ=ストロース、ドイツの哲学者エルンスト・カッシーラーなどに影響を与えた。

 こうして第二次世界大戦後には世界的な規模で「構造主義」の認識運動が生み出されていった。

 

 

人間は意味の活動として存在する

 構造主義の中身について理解しようとしたとき、その対象となる「文化」の幅広さを確認しておかなければならない。

→芸術や文学などのいわゆる「文化的な」活動だけでなく、およそ私たちの日常的な衣食住にかかわる全ての活動が、構造主義の対象としての「文化」に含まれる。

→ここで「文化」は「自然」と対置される概念として用いられいる。

 人間は「文化」を作り出すことによって、動物的な次元としての「自然」から自立した存在になる、という自然観が示されている。

 

⇒この点ではあくまで西洋的な二項対立の元にあるということだろうか。

 東洋的な思想の特徴とされる「自然との一体化」は構造主義の「文化」に馴染みうるのか。

 

 この「文化」概念の中心には「ことば」の問題がある。

→「人間がコミュニケーションをする」ということが、人間の生活を文化として成り立たせることの中心的な理由である。

→人間社会は意味を媒介にして成り立っている=人間は意味の活動として存在する

 

レヴィ=ストロースの「親族の基本構造」や「神話の構造分析」についての研究が構造主義の実践として解説されているが、ここでは省略する。

 

 

現代社会を解明する原理として

 この知の変革の運動は20世紀の人間文明、そして人々の日常生活の変化とも結びついていたものであった、と著者は考えている。

→「戦後構造主義」は、レヴィ=ストロースの人類学的なフィールドワークの成果が、現代人の生活を説明する原理として適用可能だということを示した。

→ポスト産業主義を解明する原理として。

 

 戦後構造主義の中心的な人物としてロラン・バルトを挙げることが出来る。

 バルトはソシュール言語学を、自然記号を説明する理論として利用した。

 

 衣服、自動車、料理、身ぶり、映画、音楽、広告映像、インテリア、新聞の見出し、これらは一見とてもバラバラなものたちだ。

 そこに何か共通の特徴があるだろうか? 少なくとも次の共通点がある。詰まりそれらはみな記号なのである。私は自分が街なかを行き来し生活のなかを動き回っているときそれらのものに出会うと、なんなら自分でも気づかないうちにそれらすべてに対して同じひとつの活動をおこなっている。その活動とはある種の読みの行為なのである。

 現代人は、そして都市の人間は、読むことで自分の時を過ごしているのである。

(改行は筆者)

(バルト「意味の調理場」『記号学の冒険』収録)

人間は、現代の様々な生活の場面において、様々な対象を記号の系として読み取り、そこから色々な意味を解釈して自分たちの生活の意味を作り出し、毎日を生きている。

 

⇒このあたりは以前の連載を参照のこと。

4.『ロラン・バルト』 - 記事一覧 - KnoNの学び部屋

 

 構造主義の考え方を現代の様々な文化事象へと適用していくことによって、私たちの日常生活もまた「意味のメカニズム」によって規定されているということが分かってくる。

→雑多の物語の断片や、日々のニュース、CMやドラマの切れ端などの意味作用を「ブリコラージュbricolage、寄せ集め)」することによって日常生活に意味を生み出している。

→人間が行っている活動のほとんどすべての局面というものは、そのような意味作り、あるいは意味の伝達・流通・コミュニケーションということから成り立っている。

 

 ヤコブソンはこうしたコミュニケーションについての理解を、「6機能図式」として定式化した。

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図1:ヤコブソンの6機能図式

 

⇒この図だけ見てもよくわからない……。キーワード的には自分の考えていることをよく含んでいるとは思うのだけど。

 

 近代社会の文化の秩序が崩れ、中心としての西欧が非西欧によって崩されていく戦後世界において、構造主義の運動は学問の認識を刷新する強力な思想運動であり、今なお大きな可能性を秘めている。

 

 

【今回の三行まとめ】

  • 構造主義は20世紀を通じて発展した、学問のやり方・考え方に関する思想運動である。人間の文化全般を「意味のシステム」として捉え、主に「言語」のモデルで説明しようとした。
  • 当初は「未開社会」の分析から始まったが、それがポスト産業化社会としての田代を解き明かす原理として有効だということが分かり、「戦後構造主義」として世界的な潮流となった。
  • 人間の生活を記号論的な「意味のシステム」で成り立っているものと考えたとき、そこにおけるコミュニケーションの図式をヤコブソンは「6機能図式」として定式化した。

 

【今回の宿題】

  • 「6機能図式」の詳細。

 

……構造主義についても既に学んだことの復習なのでダイジェストで。

 ヤコブソンの「6機能図式」は目新しいものだったが、正直これだけ見ても何を説明しているのかよくわからない。「あらゆる文化事象がこの構図のなかに収まる」とまでいわれいているけど、図だけ見てもさっぱりだよ? 追加リサーチが必要だけど、まずは後回し。

 

それでは

 

KnoN(60min)

 

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