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KnoNの学び部屋

落ち着きのない大学院生が専攻に関係ない(むしろそっちのけで)学んだコトを記録しておく場所

11月の読書記録

完全放置の11月。

にもかかわらず月間1000PV超えたらしいんだけどいったい何があったんだろう……?

 

とりあえず今月読んだ本のまとめと簡単な感想でも書いてみようと思います。

 

<建築系>

 大学の生協書籍部で目に付いたものをまとめ買い。「公共空間」がテーマ。

  • RePUBLIC 公共空間のリノベーション(馬場正尊+Open A、2013)
    →11月1日の記事で書きかけてから放置中。続きを書くことはなさそう。
     アイデアなり事例なりコンパクトにオシャレにいろいろ載っているけど、「公共空間を作る」ことに関する理論的な土台が物足りなくてやっぱり現場の人の本なんだなという印象。その場その場のアドリブではなく、全体を貫徹する哲学が欲しかったので、やや期待はずれ。

  • パブリック空間の本―公共性をもった空間の今までとこれから(今村雅樹ほか、2013)
    →こちらはもう少し根っこからやっている感じ。「パブリック空間」の系譜から、作り方・使われ方、読み取り方などの切り口で考察している。
     設計課題に取り組む前に、「公共空間とは何か?」を考え直してみるために入門書的に読むのに向いていると思う。
     後半は例によって事例解説。条件も書き方も個別的すぎてせっかくまとめている意味がない。比較しやすいように分析して欲しい。

  • 建築・都市計画のための空間計画学(日本建築学会、2002)
    →完全に学術的な内容の論文集。といっても建築計画学のそれである以上、常に実践への活用を期待しているわけだが*1
     ここまでくると分化が激しく、興味のあるなしがはっきりしてくる。「7 公共施設での行動を捉える(渡邊昭彦)」「9 機能複合を計画する(柏原士郎、横田隆司)」、あるいは「14 景観をテクストとして解読する(門内輝行)」あたりが琴線に触れる内容だった。
     しかし、どうにもこの手の文章はレイアウトを含めて読みにくいのが気に入らない。

青空文庫

 アマゾンのKindleストアには青空文庫に収録されている著作権フリーの文章がいくつか登録されている。青空文庫なのでもちろん無料。テキストデータではなく電子書籍データなので読むときにも取り廻しがしやすい。

  • 北大路魯山人の食にまつわるエッセイいろいろ
    ⇒「材料か料理か」「雑煮」「だしの取り方」「鍋料理の話」「握り寿司の名人」「日本料理の基礎観念」「料理の第一歩」「料理メモ
    →「やらない夫の食卓+」というやる夫スレで、元ネタ的に北大路魯山人のエッセイが言及されていたのを見て、元の本を読みたくなった。
     「北大路魯山人」といってもピンと来る人はそう多くないが、「美味しんぼ海原雄山のモデル」というとよく理解してもらえる。

     時代の違いや個人的な趣味を全体に拡大しているところなど、おいおいと言いたくなるようなところはあるが、全編を通して「料理」や「食べること」に対する深い愛情が感じられる。文章も読み易い。
     前述の通り無料で読めるが、一本あたりが非常に短くて管理が面倒臭い。まとめて読みたければ「北大路魯山人 著作集 120作品収録」「魯山人味道 (中公文庫)」などのほうがいいかも。

     

  • 学問のすすめ福沢諭吉
    →「タイトルは知ってても読んだことがない」でかなりの上位に来そうな本。
     実際読んでみると全17編で意外に長い。有名な「天は人の上に人を造らず〜」というのが冒頭だが、単に立身出世のために学問が重要だと言っているだけではなく、社会が大きく変化している明治期だからこそ自分の頭を使って考え、それを社会のための実践に役立てるべしと説いている。
     他にもいろいろ書いてあるのだが、読み終わってから間が空いているので正確なところは忘れてしまった。自分で確認してね。
     古い文章なので漢文調で書いてあるわけだが、リズムが良くて意外に読み易い。最近現代語訳もでているようだが、個人的には漢文調の方が読んでいて楽しかった。

  • 民芸とは何か柳宗悦
    民藝運動の提唱者・柳宗悦の主著(?)。まあ、ダイレクトに「民芸とは何か」を説いているのでこれから手にする人も多そうな気がする。
     単純に言ってしまうと「いろいろと技巧を凝らしたものより、実用の中で洗練されていった形の中にこそ「美」が宿る」とのこと。
     基本的には同意見だが、ところどころ突っ込みたいところもあった気がする。しかし「学問のすすめ」よりさらに前に読んだので、もはや覚えていないのであった。

<小説>

 想像力は常に現実のはるか先を行く。

  • われはロボット〔決定版〕アイザック・アシモフ、2014[1950])
    →古典SFの大家アイザック・アシモフの代表作。アニメ作品の『イヴの時間(劇場版)』(吉浦康裕、2010)を見返し、SFロボットな気分になったのでKindleで買ってみた。
     全9編の短編集。スーザン・キャルヴィンというロボット心理学者が回想しながらロボットにまつわるいろいろなエピソードを語っていくという体裁をとる。各話は直接繋がっていたり、いなかったり。
     いろいろなトラブルを、有名な「ロボット三原則」に照らし合わせながら解決していくという流れなので、ミステリー的な要素も大きい。
     最後の方は「人間の条件=人間と(高度に発達した)ロボットは区別できるのか」みたいな話にもなってくる。
     ウィル・スミスが主演して映画にもなっていたが、話はほとんど別物、らしい。

  • 三四郎夏目漱石
    →再び「タイトルは知ってても読んだことがない」本。夏目漱石の前期三部作の一作目。
     熊本の高等学校から上京して東京帝大に入学する小川三四郎くんが主人公。東京で広田先生やら野々宮兄妹やら美禰子女史やら与次郎やらと交流しながいろいろする。実際どんなことをしているかをここで語るのはあまり意味がないだろう。
     「学問のすすめ」同様に文章が良い。出来事としては大したことが起きているわけではないのだけれど、引き込まれるように読み進めてしまった。余韻のある終わり方も印象深い。

<その他>

分類が難しかった。

 

  • 昆虫はすごい 光文社新書(丸山宗利、2014)
    →新聞の広告欄に載っているのを見つけて、直感的に面白そうだと思い購入。
     昆虫の生存や生殖にまつわる工夫や、共生・寄生・社会性昆虫の他の生物との関わり方まで知らない世界が展開されている。
     幼稚園ぐらいの頃、食い入るように昆虫図鑑を眺めていたときの気持ちを思い出した。

  • 論理の方法―社会科学のためのモデル小室直樹、2003)
    →父が小室直樹の本を好んで読み、度々勧めてくる。いつだったか借りて以来本棚に放置されていたのを思い切って読んでみた。
     社会科学の議論の進め方として「モデル」を使うことをはっきりと示し、古典派・ケインズ派の経済学モデル、ヴェーバーの宗教・資本主義モデル、丸山真男平泉澄の日本を分析するモデルなどを解説している。
     モデルとは学説のための道具であり、「説明をしやすくするため」に現実のいろいろな側面を抽象化・単純化している。異なるインプットに対するアウトプットを比較することで様々な検討の材料とする、というものである。そのことを自覚しなければならない。
     小室直樹の本は内容もさることながら、文章自体が非常に読みやすいのが嬉しい。最近本を読んでもイマイチ頭が働かずに内容が理解できていないような気がしていたので、これをウォーミングアップとして再チャレンジしてみたい。

 

 

……三行まとめはいらんね。

 メモ取らずに読んでいるだけだと、ひと月前の本の内容でもしっかりとは思い出すのが難しい。やわやわなコメントになってしまった部分もあるけどまあいいか。

 キリがいいので月末に記事を書いてみましたが、次のネタは未定です。

 

それでは

 

KnoN(--min)

パブリック空間の本―公共性をもった空間の今までとこれから

パブリック空間の本―公共性をもった空間の今までとこれから

 

 

われはロボット〔決定版〕

われはロボット〔決定版〕

 

 

論理の方法―社会科学のためのモデル

論理の方法―社会科学のためのモデル

 

 

*1:「10 ボリュームから構成を捉える(小川次郎、坂本一成)」の冒頭で少しそのことについて触れている