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KnoNの学び部屋

落ち着きのない大学院生が専攻に関係ない(むしろそっちのけで)学んだコトを記録しておく場所

誰のためのデザイン? その1

気づけば大晦日。

 

ぎりぎりもぎりぎりにですが、先日予告していたやつの初回をやります。

本当は一回で終わらせたかったけどまとめきれなかった。 

誰のためのデザイン? 予告 - KnoNの学び部屋

 

というわけで

 

誰のためのデザイン?―認知科学者のデザイン原論 (新曜社認知科学選書)(D.A.ノーマン、1990[1988])

第1章 毎日使う道具の精神病理学

第2章 日常場面における行為の心理学

をやります。

 

誰のためのデザイン?―認知科学者のデザイン原論 (新曜社認知科学選書)

誰のためのデザイン?―認知科学者のデザイン原論 (新曜社認知科学選書)

 

 

第1章 毎日使う道具の精神病理学

◯良いデザインとは「自然なデザイン」のことである。

 ユーザーはプロダクトを見て、自分なりの類推を働かせながらそれを取り扱う。形状と動作、アクションと結果の対応が「自然な」ものであるならばストレスを感じることなく扱うことができるだろう。

 逆にその対応付けが恣意的である場合、外的な知識としてマニュアルを学習せねばならず、その知識を持たない人がそのプロダクトを扱うには大きな困難が伴う。

 

◯デザイナーとユーザーは3種の「イメージ/モデル」を介してコミュニケーションを行う。

 デザイナーは自らの作りたいものを「デザインモデル」として思い描き、それを元にシステムを設計する。

 実際に生み出されたシステムは、そこから外部の人間が読み取れるものとして「システムイメージ」を表現する。

 ユーザーは提示された情報を解釈し、自らの中に「ユーザーモデル」を構築することでシステムを理解する(つもりになる)。

システムイメージを介することによる両者の描くモデルの不一致がデザイナーとユーザーの認識に齟齬を生み、トラブルの原因となる。

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◯「自然なデザイン」のために必要なデザインの原則は次の二つである。

  • ユーザーに「良い概念モデル」を提供できる
  • 行為と結果の対応(フィードバック)がわかりやすい

 第一に「良い概念モデル」、つまり前項で指摘した二者間のモデルに齟齬を生じさせないようなシステムイメージを提供できるものである必要がある。そのプロダクトが何をするためのもので、どのような仕組みで動いているのか。ユーザーが正しく読み取れる/解釈できる表現がなされなければならない。

 第二に実際にやってみた行為に対し、ユーザーモデルと実際のシステムが一致しているかどうか検証できるような仕組みが求められる。そうでなければ、例えばテレビをつけるためにリモコンのボタンを押したとして、押すボタンが間違っている(イメージの不一致)のかリモコンが壊れている(システム自体の不具合)のか判断することができない。

 

第2章 日常場面における行為の心理学

◯人はエラーをおかす生き物であり、ものごとはそれを前提としたデザインがなされなければならない。

 エラーによるリスクは次のように定式化できる。

[エラー・リスク]=[各エラーの発生確率] × [各エラーの引き起こす損害]

 リスクを低減させるためにはエラーの発生確率を下げる(=人がエラーをおかさないようにする)だけでなく、エラーが引き起こす損害も抑える(=人がエラーをおかしても取り返しがつくようにする)ようにデザインしなければならない。

→典型的な例がブラウザなどに付いている「戻る(undo)」ボタン。誤った操作でページを移動しても、すぐに取り返せるようになっている。

◯人は限定的な「自分が知覚できる情報」に基づき考え、行動する。

 ユーザーは「自分が知覚できる情報」しか思考の材料とすることができないのみならず*1、その中で納得のいくように様々な理屈をつける(=ユーザーモデルを構築する)傾向がある。

 そのため物事に誤った因果関係を見出したり、一度構築したモデルに沿うように目の前の情報の解釈を曲げてしまうことがしばしばである。

→人間とはそういうものだということをデザインの前提にしなければならない。

 

◯人の行動を説明するモデルとして「行為の七段階モデル」を用いることができる。

 ノーマンは「人が何かをしようとしているときに、何が起きているか」(=行為の構造)を説明するものとして行為の七段階モデルを提案している。

行為の七段階モデル

  1. ゴールの形成:どのような結果を求めるか
  2. 意図の形成:そのためにどういう方針をとるか
  3. 行為の詳細化:具体的にどのようなことをするか
  4. 行為の実行:-
  5. 外界の状況の知覚:(行為の結果として)外界に何が起こったか
  6. 外界の状況の解釈:起こったことの意味は何か
  7. 結果の評価:当初の目的(ゴール)は達成されたか

→「実行」「評価」それぞれのフェイズにおける「やりたいことと実際にできること・起きることのへだたり(gulf)」がトラブルの原因となる。

  • 実行のへだたり:ユーザーがやりたいことが、実際にできるか
  • 評価のへだたり:ユーザーの目的が、実際に達成できたかを確認できるか

 

【今回の三行まとめ】

  • 本文が各章ごとの三行まとめみたいなもんだから別にいいよね、ということで省略。

 

【今回の宿題】

  • 「3種のイメージ/モデル」の部分の理解。

 

……「その1」だけだけどなんとな年内にやりました。休みが明けるまでには残りもやりたい。

 2014年の更新はこれで最後です。10月以降すっかすかですが、まだまだ続けていくので来年もよろしくお願いします。

 

それでは

 

KnoN

 

複雑さと共に暮らす―デザインの挑戦

複雑さと共に暮らす―デザインの挑戦

 

 

*1:ようするにデザイナーがどんなに良いことを考えていても、「伝わらないと意味がない」ということだ。