いよいよ師走:11月第5週のまとめ(11/26-12/2)
12月になってしまった……。
世間は年末ですが、私の2016年は13月まである予定です(修論の〆切が来年1月半ば)。
今週の一冊:たまには詩的な幻想世界を
どちらにしようか迷った末に、どっちもを簡単に紹介することにした。
著者名もタイトルも、さらには「ジョバンニとカムパネルラ」という登場人物名まで知っている人はかなり多いのではないかと思う。
その知名度に比して実際に読んだことがある人はかなり少ないのではないだろうか。別の本などで言及や引用されていても、なかなか本文にまでは手が伸びなかった。
ここしばらく研究に気を取られ、難しい内容の本は深く考えて読む心の余裕がなかった。それならばと発想を変えて小説を読もうと思い、せっかくだからこうした「気になっていたけど読んだことはない古典」に手を出すことにしたのだった。
語りかけるような優しい文体。描写も幻想的で想像力を刺激する。
一方で内容は抽象度が高く、具体的なメッセージを読み取るのがやや難しいかもしれない。一週目は続きが気になりさらっと読んでしまったが、もう一度読みたいという気持ちがすぐに出てきている。
普通に読んでも1時間程度、気分転換にも良いと思うので忙しい年末のスキマ時間でもいかがでしょう。青空文庫やKindleアプリを利用してスマホで手軽に読めるのもおすすめです。
二冊目は『現代秀歌』を再読。初読は今年の三月だったようだ*1。
その時は"自身の感性にストライク、というわけにはいかなかった"、"後半は飽きが来ていた"などと書いていたが、今回は流し読みで面白そうなところだけを拾って読んだので、そういったストレスを感じることはなかった。
再読しようと思った詳しい経緯は忘れてしまったが、『銀河鉄道の夜』を読んで詩的な世界への興味が刺激されたのだろうか。
内容は現代版の百人一首。といっても短歌史上の「現代」なので、昭和とか戦前の歌もかなり多い(というか昭和がほとんど?)。それを10のテーマに分け、一首ごとに歌や作者の背景などを解説している。
「青春」や「日常」、「旅」などの章で気に入ったものが多かっただろうか。個別に挙げるのは作業が面倒なので今日はやめておこう。
ついでに自分でも多少作って遊ぶようになった。小説を書いている時間はないのでその代わりだろうか。電車の中でもぼんやりしながらできるし、論文とは違う方向で頭を使えるのでリフレッシュにもなって嬉しい。
今週の気になるニュース:障害者支援にもソフトとハードの両面から
Yahoo!ニュースへのリンクならリンク先で全文読めるはず……ということで記事内容の三行まとめは省略。
ただリンクがいつまで有効なのかわからないので毎日新聞サイトへのリンクも張っておく。
先週に引き続き視覚障害者の話。一度ここで取り上げるとしばらくは関連ニュースに対する感度が高くなる。
気になるのは次の2点。
- 駅員の業務内容が単純に増えることになるが、それに対する具体的な支援策には触れていない。ホーム上の駅員の負担が増すばかりでは他のところで影響が出るのでは?
- 必要以上の関与は声をかけられる側にも負担になる。結果として外出へのコストが増し、それを控えるようになってしまえば、視覚障害者の安全な外出を保障するためという目的に対し本末転倒になるのでは?
ながら歩きスマホの使用者の線路転落に注意したり、ホームの傾斜が車椅子を勝手に運んで行かないか気をつけたり、これからのシーズンでは忘年会帰りの泥酔客の対応をしたり。現状でも駅員の負担はかなりのものになっていると考えられる。
駅員のタスクを増やすのならば、増員して一人当たりの仕事量を減らす、設備投資をするなどして業務内容の一部を自動化・省力化する、などの対応が必要だろう。
要請が実効性を伴ったものになるか、ホーム上での出来事だけでなく全体の動きを見て行かなければならない。
また支援を受ける側の視覚障害者にしても、過度な干渉は望ましいことではないだろう。「さりげなく支援を求める」ことを目的とした白杖やマタニティマークがかえって周囲の反発を招いてしまっている、というのは先週指摘した通りだ。
加えて記事の記述を信じるならば、"人手が足りない場合は、駅員の業務に区切りがついて対応できるようになるまで視覚障害者に待機してもらうことも検討する。"ということになっている。これでは視覚障害者の外出は今まで以上に不便な、心理的なバリアの多いものになってしまうだろう。
ホームからの転落が基本的には問題なので、ホームドアの設置を推進すれば解消できるのではないかと個人的には考える。現状では改修のコストやドア位置の不統一などが普及を阻害する要因になっているようだが、様々なタイプのホームドアが開発されているようなので利便性の向上に期待したい。
ソフト面からのアプローチはそれほど大きな投資をしなくとも柔軟性のある対応を取れることに強みがある。しかしそれで全てが解決するはずもなく、恒久的な改善のためにはハード面からも環境の整備を行わなければならない。自分でも忘れないようにしたいものだ。
修士論文進捗状況:調査終了、分析と執筆を同時並行で
今週やったこと:
- インタビュー調査8件(完了)
- 題目届の提出
- 分析のブラッシュアップ(現在進行形)
- 「調査A」の構成
- 「調査B」の構成
今週やりたかったこと:
- 「関連研究」の構成と概要完成
来週やること:
- 分析のブラッシュアップ(現在進行形)
- 「調査A」の執筆
- 「調査B」の執筆
- 「関連研究」の構成と概要完成
まずは12/3でデータの収集が完了。分析も同時並行でやっていたのでデータを入力してブラッシュアップしていく。
「序論」の構成に苦労していたが、他の人と話してみたらここを最後に回す人も結構多いようなのでそれに倣うことにする。書きやすいところ、実際に何をしたかの部分の構成を詰め、あとは不足している情報を補えば実際に書き出せるところまできた。
材料はほぼ出揃ったのであとは頭と手の早さの問題。大晦日までには一通り揃った初稿を完成させることが目標です。
……今週も金土と調査のスパートがあったので更新が日曜になってしまいました。まだまだ全体の時間のコーディネーションが下手ですね。
12月を迎えてやり方の調整を検討中。
KnoN(120min)