研究計画書2:コミュニケーションの原理の解明
今日で院試の全日程が終わりました。あとは結果を待つばかり。
口述試験の準備の過程で自分の考えもかなり整理されてきたので、使用したスライドを流用しつつメモを残しておきます。
画像を多用するのでスマホなどでは見づらいかも。
なんだかんだで疲れているのでコメントは控えめで。
研究計画書2:コミュニケーションの原理の解明
研究の目標と背景
これまで自分が考えていた「建築計画学」「小説」が、実は「送り手と受け手の情報のやりとり」の追究という同じ根を持つ問題であることに気づいた。
→コミュニケーションの原理を明らかにすることで、その性質に沿った方法を用いた「よりよいコミュニケーション」のための環境を整備できるようになる
「コミュニケーション」とは
私が考える「コミュニケーション」のイメージはどういうものか。「小説を書く」という行為を例にして説明する。
=「発想」の膨大なイメージを「表記」の限られた分量で読者にどう伝えていくか
→これがコミュニケーションの「発信」の本質
モデルの提案
コミュニケーションのイメージをモデルとしてまとめると上図のようになる。
- イメージ=言葉にできないようなあいまいな「伝えたいこと」
- 〈コード〉=文化共同体の中で共有されている概念化の形式
- 〈コンテクスト〉=個人に固有の考え方のクセのようなもの
- 〈メッセージ〉=やりとり可能な形に固定化した信号
→両者が類似した〈コード〉〈コンテクスト〉を持つことで、あいまいな「イメージ」の共有が実現する。
定式化と具体的な課題
- コード・コンテクストが作用するメカニズムの解明
→「コンテクスト」という概念に対するタスク分析と理論的定義によるモデルの精緻化 - 3要素を共有する精度の向上
→コミュニケーションの実践への活用を目指して
〈メッセージ〉の共有→コンタクト(通信路)の性能、情報理論
〈コード〉〈コンテクスト〉の共有→事例分析からヒントを探す
まとめ
「コミュニケーションの原理の解明」という大目標に対し、理論/事例の軸と意味/技術の軸で作ったマトリクスの3領域からアプローチする。
- 「意味の理論」→〈コンテクスト〉の理論的定義
- 「技術の理論」→〈メッセージ〉の共有精度向上
- 「意味の事例」→〈コード〉〈コンテクスト〉の共有精度向上
補遺
書いてある通り。
前回の「研究計画書:「わかりあう」ための技術」も参照のこと。
……こんな感じのことを今日話してきました。
大風呂敷を広げるだけ広げ、具体的な研究計画は無いに等しいですが、半年弱の独学ならしょうがないでしょう(開き直り)。
合否はともかく、指摘された部分などを踏まえてさらに学びや研究を重ねて生きたいと思います。
次はどうしようかな……せっかく買った『記号の知/メディアの知』をパッと読んで『現代思想の教科書』のフォローアップをするか、Kindleで安かったので思わず買ってしまったドレツキの『Knowledge and the Flow of Information(知識と情報の流れ)』に挑戦してみるか、はたまた別のテキストを探してみるか。「ヤコブソンの6機能図式」をめぐる半世紀の議論も追わなくては。
さすがに今晩はゆっくり休ませてもらい、明後日から本格的に再始動です。
それでは
KnoN(30min)