1箱分しか本は持たない
「毎週金曜更新計画」は早速第2週目から頓挫しそうです。
当初今日の更新分は昨日読み終わった『トポロジーの発想―○と△を同じと見ると何が見えるか』をネタにしようと考えていたのですが、まだ自分の中でうまく消化できていなさそうだったので延期することにしました。
こちらの方は来週くらいまでには整理できているといいなと思っています。
頭の中がこんがらがっている時にやるのは部屋の片付け。
本を棚卸ししようと全部床に広げて整理し直したので、その中から選んだ「箱に入れて手放したくない本7冊」を紹介することで本日は乗り切りましょう。
BRUTUS (ブルータス) 2015年 1/15号 [雑誌]
- 作者: マガジンハウス
- 出版社/メーカー: マガジンハウス
- 発売日: 2014/12/15
- メディア: 雑誌
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「1箱分しか本は持たない」
この言葉の元ネタは、BRUTUS (ブルータス) 2015年 1/15号の特集「読書入門。」で取り上げられていたデザイナー田川欣哉さん*1の読書術から。
文字通り「1つの箱に収まる分だけしか家に本を置いていかない」方法で、1冊箱に入れるたびに1冊手放す、を繰り返していくというもの。
単行本約20冊が入るサイズの箱を使い始めて10年以上経つらしい。
自分も最近はどんどん部屋の中のものを減らしたいという欲求が湧いてくるになったので、この話を聞いた時に「いいなぁ」と感じました。
さすがに全部一気に手放すつもりはないけれど、「すぐに手放しても問題ない本」「今は必要だけど将来的には手放しても良い本」「ずっと手元に置いておきたい本」くらいには分類し、必要に応じてすぐに切り離せるようにしています。
そういうわけで今日は厳選に厳選を重ねた7冊+αを簡単なコメント付きでご紹介。
箱に入れて手放したくない本7冊
1. オリエント急行の殺人
- 作者: アガサクリスティー,Agatha Christie,山本やよい
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2011/04/05
- メディア: 文庫
- クリック: 2回
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1冊目はクリスティの推理小説。
初めて読んだのは確か小学生のとき。推理小説としての美しい構成はもとより、描きだされる列車旅行の情景に魅了された。
2. マネー・ボール
マネー・ボール〔完全版〕 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)
- 作者: マイケル・ルイス,中山宥
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2013/04/10
- メディア: 文庫
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2000年代始めに革新的なチーム編成の手法でメジャーリーグに旋風を巻き起こしたオークランド・アスレチックスのゼネラルマネージャー、ビリー・ビーンを描いたノンフィクション。
選手としてはメジャーの壁に跳ね返され、フロントとしても絶望的な資金力の差に抗いながら、「新しい野球の見方*2」を武器に進み続けるビリーの姿勢には強くシンパシーを覚える。
特にドラフト会議の緊迫感とカタルシスは何度読んでも痛快(第5章 ジェレミー・ブラウン狂想曲)。
3. イシューからはじめよ ― 知的生産の「シンプルな本質」
ヤフーの執行役員にして脳神経科学の博士でもある安宅和人が、副題にもあるように「知的生産の本質」について述べた本。
一言で言ってしまうと「良い問いを立てることが良いアウトプットを生む」ということなのだが、良いイシューの見極め方、分析の仕方、論理の構築の仕方とその伝え方まで包括的に扱っている。
ビジネス書という分類になるが、研究活動の中でも意識していきたいことばかり。
4. ゼロ年代の想像力
宇野常寛の文化批評。小難しいことを考え始めるきっかけになった本。
自分の生き方について考えたり、小説を書いたりするときにはこの本の議論がどうしても脳裏にちらついてしまう。
今現在はどうしても手放せないなと思う一方で、新しい想像力が「ゼロ想」の議論を陳腐化して欲しいと願っている。
5. DUO 3.0
高校時代からお世話になっているので、今日取り上げる本の中では一番の古株*3。大学入試レベルの約2600語を560本の例文にまとめた単語集。
例文を暗記することで語彙力だけでなく、表現力や英語の「呼吸」みたいなものまでつかめてくる優れもの。受験生時代にこれを覚えたことでそれまでからっきしだった英作文が途端に書けるようになった。
今でもTOEICの試験対策なんかはこれの復習から始まる。
短歌という爆弾: 今すぐ歌人になりたいあなたのために (小学館文庫)
- 作者: 穂村弘
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2013/11/06
- メディア: 文庫
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対照的に一番新しく加わった本。短歌という表現形式への見方を大きく広げてもらった。
内容的にというより、たくさん書き込みをしたという点で代え難い。
(参考 短歌という爆弾 - KnoNの学び部屋)
これまでとはだいぶ毛色の違った生活実用書。
去年あたりから自炊をする機会が増えてきているのだが、食材の切り方や基本的な下拵えの仕方、ベーシックなメニューのレシピなどを参考するのにとても役立っている。まだまだ卒業できそうにない。
おまけ1 グレート・ギャツビー
「オリエント急行の殺人」と同じくらい好きな小説。
これも情景描写がよく、夏のニューヨークのクラクラするような蒸し暑さが紙面から溢れ出てくる。
上では新潮文庫版を上げたが光文社新訳文庫版も違った味付けになっていて面白く、他の訳も読み比べてみたいので今回は選外。
おまけ2 六番目の小夜子&ハイスクール1968
以前は「ずっと手元に置いておきたい本」カテゴリに入っていたが、今の気分ではそうでもないなと感じた2冊。
「六番目の小夜子」はおそらく中学時代、「ハイスクール1968」は高一の現代文の授業で一部を読んで印象に残り、浪人時代の春休みに全文を読んだ。
2冊ともしばらく触れていないが今読んだらまた別の感想を持つのだろうか。
……30分くらいでサクッと終わるかなと思いましたが、意外に時間がかかりました。更新日時のところをちょこっと細工して金曜日に戻しておかないと。
Amazonやブックオフ、あるいは図書館なんかのおかげでよっぽどの稀覯本でもないと「読めない」「再入手できない」ってことは無くなりました*4。
そういったことも含めてずっと手元に置いておきたいとなると、かなり絞られて箱一つ分にも足りない感じです。
しばらくはいろいろなジャンルの本に手を出しながら「箱の中に入れたくなる本」を少しずつ増やしていきたいと思います。
それでは
KnoN(90min)
『takram design engineering|デザイン・イノベーションの振り子』 (現代建築家コンセプト・シリーズ18)
- 作者: takram design engineering(タクラムデザインエンジニアリング)
- 出版社/メーカー: LIXIL出版
- 発売日: 2014/09/10
- メディア: ペーパーバック
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ぼくたちに、もうモノは必要ない。 - 断捨離からミニマリストへ -
- 作者: 佐々木典士
- 出版社/メーカー: ワニブックス
- 発売日: 2015/07/25
- メディア: Kindle版
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