『自壊する帝国』を読んでいます、というメモ
Kindleで『自壊する帝国』(佐藤優、2008[2006])を読んでいます。
土曜からから読み始めて、半分くらいまできました。
これにからめて、ロシアについて思うところを適当に。
『自壊する帝国』は、歴史に類を見ないタイプの「帝国」であったソ連が内側から崩壊していく様を、現場にいたものとして克明に綴った回想録、となっています。
鈴木宗男元国会議員の汚職疑惑に連座する形で逮捕され、「外務省のラスプーチン」とも呼ばれていたらしいですが、個人的には目つきが非常に印象的です。直接対面したら圧倒されそう。
描き出される日常は現代日本から見て、そして当時の西側諸国から見ても「異質」で、それがある意味非常に好奇心を刺激します。一風変わった異国情緒。
ソ連自体の基礎知識?は例によってやる夫スレから得ていますが、歴史フィクションであるストーリーからの地続きとしてノンフィクションがあることはなんともいえない感動を覚えます。
※もう一年半近く動きがないと思ってたけど、作者からエター*1宣言が出ていたのか。一番描きたいと行っていた「大粛清に至るまでの流れ」は終わっているし、第二次世界大戦は丁寧に扱うにはしんどいだろうと思ってただけに意外さはないけど、かなり残念……。
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共産主義国家ではなくなったとはいえ、現代ロシアも相変わらず「異質さ」を持っているようです。ヨーロッパの東の最果て、雪に覆われた北の大地。ロシアという土地は昔からどこか素直ではいられない環境を持っているのかもしれません。
『原初年代記*2』の冒頭にあるというこのフレーズが強く心に残っています。
来たりて我等を征服せよ。我等は我等で我等を支配できぬ故に。
そんなこんなでロシアは妖しい魅力をもった国だという話でした。
今週中には読み終わりたいところです。
続けて『国家の罠』を読むのもいいかもしれませんが、もう一冊並行して読んでいるのでそっちが先ですかね。
なんだか分量的に中途半端になってしまって申し訳ありませんが、今日はこの辺りで。
KnoN
*1:やる夫スレにおける更新停止のこと。
*2:9世紀から12世紀にかけての東スラブ人の歴史書。原初年代記 - Wikipedia