2019年12月に読んだ本まとめ
年末は月間振り返りと年間振り返りでまとめのタイミングが難しい。
まとめてしまう考え方もあるけれど、やっぱり月ごとのはちゃんと別にまとめておきましょう。
今月は比較的バリエーション豊かなラインナップ。
★今月の一冊
#37 武士道
岩波文庫で古典に親しむシリーズ。本棚にあった未読のものから比較的薄くてすぐに読み終われそうだったものをチョイス。
開国して欧米諸国の前に現れた日本という「自分たちとは異質な文化を持つ国」について、行動規範としての武士道を解説したテキスト。
著者こそ日本人だが、元々は英語でアメリカ人向けに執筆・出版された本だった。
内容としては共感を持って読める部分が多く、武士道に基づいた価値観が令和の現代でも受け継がれているのを感じる。
実はこの本の中で一番印象的だったのは著者自身による部分ではなく、3ページに渡って引用されているある武士の切腹の様子だった。思わず読んでいるこちらも居住まいを正さざるを得ないような、畏敬の念を抱かせる描写だった。
#38 コトラーのマーケティング・コンセプト
- 作者:フィリップ・コトラー,恩藏 直人
- 出版社/メーカー: 東洋経済新報社
- 発売日: 2003/05/02
- メディア: 単行本
会社蔵書。もともと後輩への課題図書にしようと思って購入申請したもの。 自分自身は『マーケティング・マネジメント』を一通り読んだのでコトラーのマーケティングについては一応わかっているつもりだが、課題図書として読ませるには分厚すぎるのでよりコンパクトなものはないかという目論見。
マーケティングに関する主要なコンセプト80個をアルファベット順に解説していく構成になっており、一つ一つが独立しているので通しで読むにも辞書的に引くにも使える。仕事の合間の気分転換に少しずつ読み進め、なんとか年内に読了。
各項目の内容だけでなく、項目の選び方自体にメッセージを感じるところもある。「顧客(Customers)」や「ポジショニング(Positioning)」「戦略(Strategy)」などはマーケティング実務としてすぐに出てくる概念だと思うが、「社員(Employees)」や「リーダーシップ(Leadership)」などの項目は経営に近い立場としてのマーケティングに求められるものを表している。
結論としては非常に良い本だと思う。まえがきで著者自身が述べているような"マーケティングの主要コンセプトや原則を学ぶための、信頼できる著者による手軽な本"になっている。
#39 医者が教える食事術
2017年に流行った本。今年の夏に続編(『医者の教える食事術2』)も出ていたらしい。出た当初から気になっていはいたが、なんとなくこのタイミングでの購入・読了となった。自分の身体のための本、健康と良いパフォーマンスを維持するための情報は定期的に入れたくなる(『スタンフォード式 最高の睡眠』とかね)。 この手の本は鵜呑みにするのは危険だけど、素人が独学でやるよりは何かしらの指針があったほうが良い、というのが自分の考え。
著者の主張は明確。「エビデンスのある食事の仕方を心がける」が根幹にあり、研究からの結果として「なるべく血糖値を変動させないような食事をする」「自然のものを自然に近いやり方で食べる」「豆類・野菜類・アルコール類・チョコレートなどを食べる」などが推奨されている。 特に血糖値の話は本書のメインテーマで、総量を減らすだけではなく摂り方やタイミングまで具体的に示されている。
「反応性低血糖」という現象がこの本での一番の発見。大量の糖質を一度に摂取してしまうと、反動として血糖値が下がりすぎて眠気やイライラを引き起こすという。 午後2~3時頃の時間帯にどうにも集中できないということを何度も経験しているが、どうやらこれが原因らしい。昼食の摂り方を改めることで改善できるかもしれない。
こうも血糖値の重要性を語られるとそれをモニターできるウェアラブルデバイスが欲しくなる。新しいApple Watchへの血糖値の計測機能の搭載が研究されているという話があるらしいので*1、それに期待したい。
#40 ざっくり分かるファイナンス
Kindle Unlimited。定期的に読みたくなるお金の本。といっても個人の資産経営ではなく会社の財政(ファイナンス)の話。
「ざっくり分かる」のタイトル通り、かなり基本的な内容。 地味に簿記3級を持っていることもあり、会計の側面からの基礎知識はある程度あったのでその部分は難しくはなかった(といっても会計とファイナンスは全然違う話らしい)。
要するにファイナンスとは、投資に関する意思決定(投資の決定)と、その投資に必要な資金調達に関する意思決定(資金の調達)と、そして運用して得たお金をどう配分するかという意思決定(配当政策)、これら三つの意思決定に関わるもの、ということです。 (中略) それでは、三つの意思決定の目的は何かと言うと、企業価値の最大化です
後半の「会社の価値の算出方法」や「資金調達の判断基準」などは、表面的にはわかったつもりだがまだまだ実感としての理解には乏しい。 来年はこの辺りの経験も積めると将来のために良いかもしれない。
12月も4冊、通算40冊。目標50冊には10冊ショートでフィニッシュ。 読み終わりそうな本は2冊ほどあるのですが、無理せず来月来年に回しましょう。
前半は停滞していましたが、Kindle paperwhiteを買い直してKindle Unlimitedにも入った後半はかなりペースを取り戻しました。 この調子を続けられれば来年こそ年間50冊行けるでしょうか。
KnoN
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- 発売日: 2018/11/07
- メディア: エレクトロニクス