KnoNの学び部屋

大学に8年在籍した後無事に就職した会社員が何かやるところ。

2020年3月に読んだ本まとめ・その1

結構長く読んでいた本を読み終わって嬉しかったので、2冊しかないけど更新。
今回は3週間書けて読んだ本と1日1.5時間くらいで読み終わった本の、両極端な取り合わせです。

2020年読了数: 12冊 / 50冊

★今回の一冊


#11 創造する経営者

ドラッカー名著集の第6巻。買ったのはだいぶ前で、読み始めたのは確か3週間くらい前。
『書くための名前のない技術』を読み終わったあと、Unlimitedの品揃えにピンとくるものがなかったので積んであったものをなんとなくで読み始めたら、やっぱり面白くてそのまま読破してしまった。ちょっと大変だったけど。

原題は「Managing for Results(成果を上げる経営)」であり、「事業戦略」に焦点を当てている。
三部に分かれ、現状分析〜意思決定〜実践の三段階で「成果を上げるためには何をすべきか」を考えている。
会社がちょうど変革期にあり、事業レベルで「何をやるべきか・何をやめるべきか・どのようにやっていくべきか」を議論し始めたときだったので、図らずもタイムリーなテーマだった*1

事業(製品)の良し悪しを評価するには"コスパ"で見なければならない、というのが大きな気づき。
正確には、これまでもぼんやりと考えていたことがクリアになった。

顧客に対して良い価値を提供できていたとしても、そのために必要なコストが大きければ「良い事業」とは言えない。
"コスパの良さ"を実現する人間能力(知識、ノウハウ)こそが自社の「卓越性」となり、利益を生み出す。

うちの会社は「背伸び」をし過ぎる。志は高いのだが、組織としての能力がそれに追いついていないせいで"コスパ"が悪く、むしろ重荷になってしまっていた。
地に足をつけて「今の自分たちにできることはなにか」からスタートし、その卓越性を伸ばしていった先に大きな価値を生み出していくほうが、実効性のある成長戦略となるだろう。

したがって、他社はうまくできなかったが、わが社はさしたる苦労もなしにできたものは何かを問わなければならない。同時に、他社はさしたる苦労なしに出来ているのに、わが社はうまくできなかったものは何かを問わなければならない。(p149)

▼製品の11類型

  1. 今日の主力製品
  2. 明日の主力製品
  3. 生産的特殊製品
  4. 開発製品
  5. 失敗製品
  6. 昨日の主力製品
  7. 手直し用製品
  8. 仮の特殊製品
  9. 非生産的特殊製品
  10. 独善的製品
  11. シンデレラ製品あるいは睡眠製品

⇒このうち意味があるのは最初の5つのみであり、後ろ6つに属する製品にはなんらかの対応を行わなければならない。

#12 仕事の基礎力

会社蔵書。新卒社員研修用参考書その4。読ませる用。

「仕事に対する心構え」系の本*2で、今年の新卒には評判が良かったようだ。
自分のときにも課題図書リストには入っていて読んだはずだけれど……その時はほとんど印象には残らなかったらしく、記憶がない。
だが、改めて読んでみるとなかなか良い感じにまとまっているとわかった。

33項目の「仕事の型」を7つの分野に整理して紹介している。
各項目ごとに「よくある仕事のシチュエーション・(やりがちだけど)良くない行動・適切な行動」がセットで示されており、要点がわかりやすい。
適度に図表もあるため直感的にも理解しやすい。迷いなくおすすめできる。

懸念点は(この手の本はどれも同じだけれど)「戦略コンサルタントとしての経験」をもとにかかれていること。
うちの会社の新卒社員は総合職と制作職が半々くらいで、コンサルタントとしての働き方を念頭に置いた書き方では制作職にとって「自分ごと化」してもらうのが難しいかもしれない。
「知的労働者」の心構えとしては職種問わず大切な内容なのだけれど……そのあたりは最初に研修講義の中で伝えたほうが良いだろうか。

個人的に印をつけた項目は下記。どれも実体験と結びついている。

4:「正解」を求めない
上司や先輩が「正解」を持っていると思い込み、それをあてにいく、というのは新人の仕事でよく見る風景。
想像であれこれしても前に進むことなどないのだから、実際の一歩を踏み出すことが大事。

12:打ち合わせ日を設定し、マイルストーンにする
「ある程度形になってから打ち合わせ日を設定」ではいつまで立っても進まない。
今のプロジェクトがちゃんと軌道にのっているのは、打ち合わせ(報告)を定期化して「次回までにはここまで進めて報告する」のリズムを作れたからだと思っている。

24:「前提となる情報」を共有する
自分が設定した打ち合わせでは冒頭に「この場の目的はなにか」「なぜみなさんに声をかけたか」を必ず伝えるようにしている。
このルーチンを始めてから会議の進行が明らかにスムーズになった。

28:一度で伝えきるメールの書き方
「条件分岐」の明記を意識するようにしてからやり取り(うちはメールではなくてビジネスチャットだけれど)のスピード感が上がった。
細かく書きすぎると長くなりすぎるのでそこは注意。


うちの会社でも新型コロナウイルスの影響が様々な面で出ています。 リモートワークやスライド勤務も可能な範囲で導入されましたが、自転車通勤の内勤ではあんまり関係ありませんでしたね。一回くらいはやってみたかったですが。

あまり気にしすぎてもストレスなので、私としては引き続き基礎免疫力を高めることでウイルスに対抗していこうと思います。
みなさまご自愛ください。

KnoN

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*1:長期スパンの議論自体は"新型コロナショック"による緊急対応で延期になってしまったが、やること自体は「自社が本当に競争力のある領域を見極めて注力する」なので、むしろスピードが加速した感すらある。ピンチはチャンス、とはこのこと。

*2:個人的には去年の秋に読んだ『外資系コンサルの知的生産術~プロだけが知る「99の心得」~ (光文社新書)』がとても良かった。
まだKindle Unlimitedで読めるらしいので、興味がある方は是非。 knon.hatenablog.com