KnoNの学び部屋

大学に8年在籍した後無事に就職した会社員が何かやるところ。

2020年7月に読んだ本まとめ

7月は新規3+再読3+雑誌1。
読むには読んだが忙しかった時期なので読書メモはあっさりめ。

2020年読了数: 22冊 / 50冊

★今回の一冊


番外3 マネーボール

休日の気分転換に再読。

モチーフこそ野球(メジャーリーグ)だが、人生訓としての学びが強い。一時的な契約金に魅せられて軽率にプロ入りしてしまった若きビリー・ビーンの失敗、正しいことを行っているのに受け入れられない世の中の不合理、たとえ不平等なゲームであっても知恵を凝らして本質に近づくことで勝ち筋を見つけにいく気概、などなど。いつ読んでも勇気づけられる。

解説(丸谷才一)ではこう評されている。全く同感。

マイケル・ルイスが書いたものは頭の使ひ方、ものの考へ方の本だった。一般に人間はとかく在来の考へ方、方式にとらはれがちで、新しい視角からものを見ることができない。その分野その領域の、約束事や先例や旧套、因習や官僚主義から脱するのがむづかしい。つまり他人と同じことをする羽目になつて、その結果、これまでの勝者を抜くための条件を手に入れがたい。しかしものの考へ方を改めれば話が違ふ。別の天地が開け、新しい勝者となる可能性が生じる。さういふ、思考と生き方のためのマニュアルを彼は書いた。(文庫版p460-461より引用、仮名遣いは原文ママ

#20 サブスクリプション

会社でサブスクリプション型の新サービスを企画しており、その参考資料として。

大いに役に立った。特に「サブスクリプションでの損益計算書」はそのまま新サービスの収益シミュレーションのモデルとして使わせてもらった。

ただしサブスクリプションの真価は、ユーザーとの一対一の関係構築にある。ユーザーが自社のサービスをどのように使っているかを知ることで提供する価値の精度がどんどん向上し、さらにそのデータを分析することで新しいサービスの開発につながる。

「(製品志向ではなく)顧客志向」はマーケティングの世界では常に言われているが、なかなか定着しきらない。新しい要素が出るたびに「再発見」されている。「顧客志向」はマインドとして不安定な状態であり、だからこそ維持し続けられたところが成功者となれるということなのだろう。

#21 なぜ、あなたの仕事は終わらないのか

Kindle Unlimited

「なぜあなたの仕事が終わらないのか」への回答→「安請け合いしてしまう」「ギリギリまでやらない」「計画の見積もりをしない」から
つまり、真の意味で効率的に仕事をできていない・計画的に取り組めてないことに問題がある、ということ。
より合理的なやり方にすることで「常に期限内に仕事を終わらせる」ことができるようになる。

どうすれば仕事を終わらせられるのか。鍵は3点

  1. スタートダッシュで一気に作る(予定期間の2割の時間で8割終わらせる)
  2. スタートダッシュ期間は最大効率の集中力(=20倍界王拳)で一心不乱に取り組む
  3. 残りの期間はスラック(余裕)として、流しながら完成度をあげる

「連絡断ち」「仕事を縦に切る・時間を横に切る」「規則よりも合理を取る」などの工夫でこの理想状態に近づけていく。
⇒この考え方を著者はロケットスタート時間術」と呼んでいる。

方向性としては必ずしも目新しいものではない。ただしそれを「20倍界王拳」と呼ぶほどに徹底していることに凄みがある。
また細かい技術そのものよりも、ロケットスタート仕事術が象徴する「人生への取り組み方」のほうが著者が本当に語りたい主題のようだ。こちらも共感できる内容。

参考にして日々の仕事のやり方に「午前中は打ち合わせNG・考える系の重要な仕事だけをお昼までに集中して終わらせる」というルールを導入してみた。午前と午後でメリハリがつき、いまのところは良い感じ。

番外4 ザ・ゴール(コミック版)

仕事中の気分転換に再読。仕事中に堂々とマンガが読める!

仕事の生産性を評価するのに必要な概念はスループット」「在庫」「業務費用」の3つのみ。
スループットの量はワークフローの中のボトルネックが決める。ボトルネック(または"制約")を見つけ出し、ボトルネックがもっとも効率的に稼働するように工夫していくことでのみ生産性は伸びていく。

うちの会社でも生産性が伸び悩み、みんなハードワークしているはずなのに利益になかなかつながらないという状態に陥ってしまっている。一般的な製造業ではないが、「何かを作って納品する」構造は同じなので、かなりの部分で参考にできるはず。

問題意識はあるものの、自分の担当業務範囲からは遠いし他にやりたいこと・やるべきこともあるのでなかなか取り組めない。関係している人に地道に働きかけていこう。

ところで元ネタは小説形式なのだが、ざっと確認した限りではコミック版とほぼ内容が変わらない。そして読める速さは圧倒的にコミック版の方が早い。こちらのほうが優れた表現形式といえる?

#21 仕事と自分を変える「リスト」の魔法

Kindle Unlimited。
ライフハック大全』などの堀正岳さんの本。刊行時から気になっていたが新刊での購入に踏み切るまでにはいかず、Kindle Unlimited収録時にこれ幸いとピック。

アウトライナー論を中心にこの辺りの情報はよく触れていたので目新しさはなかったが、文字通り「リストの効能」についてわかりやすくまとまっている。特に「スッキリ化(スッキリスト)」と「ハッキリ化(ハッキリスト)」のキーワードが素晴らしい。

改めて読み直してみると「目新しさがないほどには知っている」けれども、実践できているのはそのうちの二割もない気がしてきた……。
最近は自分の成長よりも停滞を実感することが多く、もどかしい日々です。

番外5 知的生産の技術

知的生産の技術 (岩波新書)

知的生産の技術 (岩波新書)

「知的生産」の分野では古典中の古典といえる名著。
最近ふとした日常の思いつきをうまく処理できていない(思いつきのままどこかに消えていく)と感じ、カードシステムについて学び直そうと思って再読。初回読了は2017年の12月らしい(巻末にメモがあった)。

結論から言うとカードシステムの採用はやっぱり見送りになった。荷物を減らそうとしている中で、分厚いカードの束を持ち歩くのはやはりめんどくさい。こういうのはストレスなく使い続けられるのが大事。
……といいつつも、「ストレスなく使い続けられるもの」を見つけられてない現状ではある程度は妥協もやむなしか。

要点は三つ。

  • ①常時携帯できること。思いついたときにすぐに記録できること。

  • ②常に参照できること。古いものも新しいものもまとめて「繰る」ことができること。

  • ③簡単に並べ替えやグルーピングができること。そのためにフォーマットが揃っていること。

少し前はコクヨの「測量野帳」を使っていたが、やはりいわゆるノートでは②③を実現できずに単なる時系列メモ書きにとどまっていた。そのうち①も面倒になってしまって今はほとんど使っていない。
EvernoteScrapboxなどのデジタルツールも最近はある。しかしスマホの携帯性はともかく、「すぐに記録できる」の部分でひっかかって定着しない。起動を待てない。フリック入力に手間取る。音声入力は苦手。やっぱアイデアキャッチは手書きでやりたい。

うーん、この問題で自分にとってもベストプラクティスを見つけられるのはまだまだ先になってしまうだろうか……。アドバイス、お待ちしています。

このような整理や事務の技法についてかんがえること、能率の問題だと思っているひとがある。一般に、この本で取り扱っているような知的生産の技術の話全体が、能率の問題として受け取られやすいのである。しかし、じっさいをいうと、こういう話は能率とは無関係ではないにしても、すこしべつのことかもしれない。(中略)。これはむしろ、精神衛生の問題なのだ。つまり、人間を人間らしい状態につねにおいておくために、なにが必要かということである。かんたんにいうと、人間から、いかにしていらつきをへらすか、というような問題なのだ。(p106)

全般的には現代でも通用する内容だが、「7 ペンからタイプライターへ」「8 手紙」あたりはさすがに技術が記述を追い越している。「日本語には正字法がない」というのは確かにその通りと思うけれども。

日記の話(「9 日記と記録」)は最近気になっている。せっかくの毎日のアウトプット。もっと深く検討してみたい。

番外6 Tarzan特別編集 決定版 自律神経を整える。

7月から8月頭にかけて「これ自律神経失調ってやつでしょ」みたいな諸症状(動悸、体の火照り、浅い睡眠など)があったので購入。

原因に心当たりがありまくりだったのでそれさえ終えればと思っていたが、現実問題として体調が良くないのにはまいった。特に集中力と動悸が連動していて「頭が集中してくると体が疲れて追いつかなくなる」のは繊細なブレーキ操作が必要になって大変だった。

8月10日現在はほぼ治った模様。体操などのやり方はこれからも参考にしていく。


結構読んだと思ったけれど、再読が多かった分カウント数の伸びはイマイチ。年間50冊いけるか微妙なペースになってきましたね。

KnoN

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