読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

KnoNの学び部屋

落ち着きのない大学院生が専攻に関係ない(むしろそっちのけで)学んだコトを記録しておく場所

高校生からわかるマクロ・ミクロ経済学 その5(前編)

散髪しました。

美容師さんによると僕は割と髪の毛の伸びるスピードが速いらしいので、二ヶ月も放っておくとなかなかのボリュームになってしまいます(癖もあるし)。

頭もスッキリしてまた頑張りましょう。

 

引き続き

高校生からわかるマクロ・ミクロ経済学(菅原晃、2013)

第5章 国債について

をやります。

 

高校生からわかるマクロ・ミクロ経済学

高校生からわかるマクロ・ミクロ経済学

 

 

 

高校生からわかるマクロ・ミクロ経済学

高校生からわかるマクロ・ミクロ経済学

 

 

 第5章 国債について

国債長期金利の代表的指標

 信用が最も高く、債券価格が高めで、したがって利率が低いから。

国債金利にプレミアム(あるいはスプレッド)と呼ばれる分を上乗せした利率が他の長期国債の利率となる。

 

 国債は新規発効されたあとは、証券市場で毎日の取引の対象となる。

 日銀もディーラーとして参加し、買ったり(買いオペ)売ったり(売りオペ)していく。

→需要が大きければ債券の取引価格が上昇し、実質利率が低下する(その逆もしかり)

 

⇒元本100万円で表面利率10%(=10万円)の国債(償還期間1年)があるとする。

 1年後に償還されて得られる金額は110万円。これを市場でいくらで購入するかによって実質利率が変わる。

→需要が大きく、105万円で取引されれば、利率は次のようになる。

   (110-105)/105=0.0476……→4.76%

 逆に人気がなく90万円での取引となれば、

   (110-90)/90=0.222……→22.2%

 

 つまり財政不安や政情不安定などによりある国の国債を手放す動きが強まると、

 

   国債価格が暴落→国債金利の上昇に伴い全体的な長期金利も上昇→投資のための資金調達が難しく→景気が悪くなる

 

 というサイクルになる。

 

……最初は「国債の利率が高くなれば、他の長期債券の利率も一斉に高くなる」という部分に引っかかりを感じた。

国債は「最も信用のある債券」なので、お金が余っていたらまずそこに流入する。信用の劣る民間の長期債券が買われるためには、利率の上乗せによる魅力の増加(プレミアム)が必須、ということで理解できた。

⇒「原理的に連動して動く」というよりは、目的を果たすためには「連動して上げざるを得ない」というところだろうか。

 

日本の金利はなぜ低い?

 国債には次の3種類がある(括弧内は2011年度の大まかな金額)。

  ①新規国債(40兆円)

  ②借り換え債(110兆円)

  ③財投債(15.5兆円)*1

 

 総額で年間およそ170兆円に上るが、その大半を占めるのが②借り換え債である。

→10年満期の60億円国債の場合、10年で一旦は元金が償還される。しかし実際に支払われるのは1/6にあたる10億円であり、残りの5/6は50億円分の「借り換え債」として発効される。これを繰り返し、60年かけて60億円が償還される仕組みになっている。

   国債60億円→お金10億円+借換債50億円

              →お金10億円+借換債40億円

                    ……→お金10億円+借換債なし(全償還)

 

このように、170兆円もの国債が毎年のように発効されるにもかかわらず、日本国債の価格は高く、金利は低く推移しています。この背景にあるのは、不況GDP減・あるいは微増)とデフレです。
(強調は筆者)

 

◯不況になると、企業は投資を減らす(投資が減るから不況になる、とも言える)
→銀行は預金者から預かったカネの貸し出し先に困る。*2

→運用しないと自分の稼ぎがないので、国債を購入することになる。

 

◯デフレになると、名目金利がゼロでも実質金利が増える。

(=おカネの価値が上がるので、のちのち返さなきゃいけない分の相対的な負担が増える)

→企業は新たに融資を受けて投資するよりも、少しでも負担が軽いうちに今ある債務(借金)を返そうとする。

→銀行が資金の貸し出し先に困る。

国債市場に資金を投入する。

 

⇒ようするに、

 不況・デフレになると、投資Iが減り銀行の預金(貯蓄S)が行き場をなくす(貯蓄超過カネ余り)。

→しょうがないから国債を買いあさってなんとか運用益を確保しようとする(国債はもっとも金利が低いのでできればプレミアムがつく民間の債券を購入したい⇒少しずつでも確実に金利を稼がないと銀行自体の利益が出ない)。

国債価格は高くなり、裏返って金利は低くなる。

となっているわけである。 

 

日本銀行のお仕事 

 そもそも「金融政策」とはどういうことなのか。

金融政策

=日銀が金融面から経済のコントロールを試みる経済政策。「物価や景気の安定」を目的とし、「マネタリーベースの操作によるマネーストックの調整」によりそれを実現する。

 

 そして用語の説明。

マネタリーベース

=市中に流通している通貨と「日銀当座預金*3」の合計額。「お札の総量」と言い換えることも出来る。

マネーストック*4

=世の中にあるおカネの総量。マネタリーベースの9~10倍の規模がある。

 

……ちょっとWikipediaでの説明と違うところがあるような気がする(あれを信じすぎるのも良くないけど)。

⇒「マネタリーベース=中央銀行(日銀)が影響力を及ぼせるおカネの総量」、「マネーストック=民間にある(日銀が手を出せない)おカネの総量」とでも理解しておけば大丈夫だろうか。

 

 2012年10月時点でのそれぞれの量は、マネタリーベース128.1兆円に対しマネーストック1125兆円。およそ1:8.8の比率となっている(ちょっとマネタリーベースが多い?)。

 

金利というのは「お金」という商品についた値段である。
(強調は筆者)

 これを踏まえて金融政策の具体的な方法を解説すると次のようになる。

→日銀が(日銀当座預金を元手に?)市中の国債を購入すると、流通する通貨の量が増えて(=マネタリーベースの増加)、金利が下がる。

→金融機関は低金利で日銀から資金を調達でき、したがって企業への融資も低金利で行える。

→企業の投資により景気が刺激され、物価の上昇圧力が高まる。

 

つまり、日銀が資金量をコントロールするためには国債の残高(資産)を増減ずれば良い

→裏返せば現在の制度の下では、国債残高がなければ銀行券は発行できない。

→「私たちが使っているお札の信用は、国債によって支えられている」のである。*5

 

日本が財政破綻することはありうるのか?

岩村充『貨幣の経済学』(2008)

国はいくら国債を発行しても倒産することはないと考えてよいのでしょうか。結論から言えば、そのとおりです。現代の管理通貨制の下では自国通貨建ての国債をいくら発行しても、それが理由で国が倒産することはありえません。

 この主張を検討するためには、「国債の発行過多による財政破綻」がどういう仕組みで引き起こされるかを考えなければならない。

 

 

……と、ここまで書いたところでいい加減に疲れてきてしまいました。

時間も結構使ってしまったし、こればっかりで一日潰す訳にも行かないんで今日はここまでです。初の前後編。

 

次回は「日本が財政破綻することはありうるのか?」の続きからやっていきます。

途中セーブなので【まとめ】【宿題】もなしですね。

 

それでは

 

KnoN(120min)

 

*1:これがなんなのかテキストには説明がなかったので、例によってWikipediaでから補足。

財政投融資特別会計国債 - Wikipedia

ようするに「一般会計の財源となり、租税を償還財源とするのが一般国債(①と②)」、「財政融資資金の財源となり、その貸し付け回収金を償還財源とするのが財投債」ということらしい。

……うーん、わからん。あんまり本題とは関係なさそうだけど。

*2:加えて近年では資金の調達方法が大企業を中心に間接金融から直接金融にシフトしているという事情もある。

間接金融=資金の貸し手が金融機関(銀行)にお金を預け、借り手(企業)はそこから調達する方式。銀行は借り手からの金利で利益を得、貸し手に預金利益を払う。借り手の倒産などのリスクは銀行が負う(不良債権)。

直接金融=資金の貸し手が、直接借り手に資金を提供する方式。証券会社が「仲介」することもあるが、融資のリスクはあくまで貸し手が負う。マージンがないので利率や手数料などのコストが低く抑えられる。

 →直接金融が増えると、融資を銀行に頼らなくなるためますます貸し出し先に困ることとなる。

*3:金融機関の間での決済などに利用するために、金融機関が日銀に持っている口座の預金額。日銀が「銀行の銀行」と呼ばれる所以?

*4:完全に余談だが、筆者が中学の公民かなにかで習ったときには「マネーサプライ」という言い方をしていた。2007年の郵政民営化時に統計の方法を変更し、一緒に呼び方も変えたらしい。

*5:以前は金(ゴールド)がその役割を担っていた(金本位制)。

 その後、日本においてはドルと円の交換を固定する「ドル本位制(固定相場制)」を経て、現在の「国債本位制(管理通貨制)」に至っている。