読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

KnoNの学び部屋

落ち着きのない大学院生が専攻に関係ない(むしろそっちのけで)学んだコトを記録しておく場所

補完:ヤコブソンの6機能図式

とりあえず今日は補完の一つ目。

 

記号の知/メディアの知―日常生活批判のためのレッスン石田英敬、2003)

4 メディアとコミュニケーションについてのレッスン

を参考にヤコブソンの6機能図式について。

 

 

 ヤコブソンの6機能図式

 ここまでコミュニケーションのモデルとして二つのモデルを紹介してきた。

  • ソシュールことばの回路

    →言語活動を「話し手/聞き手という二者の間に成立する言語記号のやりとり」と考える。

     そのやりとりは個人の中で行われる「概念と音響イメージを結びつける心的過程」と「音響イメージと生理的な発声/聴取を結びつける物理的過程」からなり、その連なりとしてコミュニケーションが表現される。
    →特に前者の意味を生み出す心的過程を重視する。
    (参照 現代思想の教科書 その2 - KnoNの学び部屋

    f:id:arcadia_1159:20140806151935p:plain

  • シャノン:シャノン・モデル
    →情報源のメッセージを通信路を利用可能な信号に変換し、ノイズによる影響を受けながら通信路を通り、メッセージに復号されて受信者に届く。
    →「送信機→通信路/ノイズ→受信機」の技術的過程に重点をおいている。
    (参照 通信の数学的理論 その1(前編) - KnoNの学び部屋

    f:id:arcadia_1159:20140720185204p:plain

 

 これら二つはそれぞれ記号の心的過程、通信の技術的過程を主題とし、記号論情報理論の相互補完関係を示している。これをひとつにまとめ直したものがヤコブソンの6機能図式である。

 

  • ヤコブソン6機能図式
    →コミュニケーションを構成する因子として発信者受信者の2者、コンテクストメッセージコンタクトコードの4項を考える。
    →6因子はそれぞれ機能を持つ。これらの合力によりコミュニケーションは成立し、どの因子が支配的要素(ドミナントとして活性化するかによりそのタイプが決まる。

    f:id:arcadia_1159:20140808184416p:plain

 

 

 ヤコブソンの図式は、1960年という「メディアの世紀」のほぼ中央でまとめられたという位置を持ち、構造主義の流れの中で「汎用モデル」としてコミュニケーションを考える一つの参照点となってきた。

→しかしこれはある種コミュニケーションの「理想化」の結果であり、現実への適用にはその限界を自覚しておく必要がある。

=現実においては「対等で相互に可逆的なことばの交換」はむしろ稀

  • 「コード」の非均質性
  • コミュニケーションの中の時間差要因
  • 発信者/受信者それぞれの集団性や匿名性

 

考察

ヤコブソンは6因子を上げたが、それはやはり2+4に分けられると思われる。「2」の方はコミュニケーションのプレイヤーとしての2者でいいとして、残りの「4」をグループとして形容するのにふさわしい用語を思いつかない。

 

◯4項は記号学情報理論の用語にそれぞれ対応したものを持つ。

  • コンテクスト=?
  • メッセージ=パロール
  • コンタクト=回路
  • コード=ラング

⇒自分なりに解釈すると、

  • コンタクト=回路→2者の間で確立されているコミュニケーションのつながり
  • メッセージ=パロール→具体的なイメージとして現れた、伝えたいこと
  • コード=ラング→その具体的なイメージを、どうやって解釈するかの決め事
  • コンテクスト→コミュニケーションを成立させる双方の持つバックグラウンド

⇒「相手の100%の理解」のためには、コンテクストの完全な共有が必要。

 とりあえず「できるかぎりの理解」のためには、「コード」を充分に共有する。

 

◯この図式の中では「概念の段階の、伝えたいこと」がない?

⇒自分の持つコミュニケーションのモデルの概略は、

  1. 送り手の中に「伝えたいこと」がある。コンテクストまで含めると膨大な量のそれを、細部割愛してやりとり可能なサイズの「メッセージ」に落とし込む。
  2. 受け手はその「メッセージ」から、予めなんらかの形で共有されている「コード」と「コンテクスト」に従い再生する。
  3. 量的に言うと「1」のメッセージのやりとりで、受け手の側に「10」の量の"情報"が生まれる。
    =「10」の量のやりとりが達成される。

という感じ。

 だから表に出てこない「伝えたいこと」を、いかにして受け手に伝えるか、が重要。

 

⇒なにげなく"情報"の"量"という言葉を使っているけれど、これはシャノンの「情報量」の定義で解釈するとしっくりこない。まずこのあいまいな"情報"を定量的に扱えると見なすことが正しいのか?そこから問う必要がある。

 

「コード」「コンテクスト」の共有のメカニズムを明らかにしたいのかもしれない。

 

 

……まとまりがなくなってきたが、こんなところで。

 考えていることの射程の広さ故にどこに焦点を合わせるべきなのか見極めるのが難しい。なんとか考え抜いて形にしていく。

 

それでは

 

KnoN(--min)