2020年2月に読んだ本まとめ・その2
2月のその2。 きちんと読んだのは実質的に1冊のみ。 読みかけのものがいくつかあるので、3月に紹介できれば。
2020年読了数: 10冊 / 50冊
★今回の一冊
- 作者:ピーター・ティール,ブレイク・マスターズ
- 発売日: 2014/09/25
- メディア: 単行本
#08 ゼロ・トゥ・ワン
- 作者:ピーター・ティール,ブレイク・マスターズ
- 発売日: 2014/09/25
- メディア: 単行本
会社蔵書。実は人事の手伝いとして4月の新入社員向けの研修設計を行っており、課題図書リスト選定の一環として内容確認のために読んだ(ここ数年のリストには含まれていたが、自分自身は読んだことなかった)。
著者のピーター・ティールはPayPalの創業者の一人。 本文中でも何度か言及されるが、この創業メンバーはその後もそれぞれが様々なベンチャー事業の立ち上げに携わり、「ペイパル・マフィア」と呼ばれているらしい。おっかないね。
ベンチャー企業に参加する者の心構えとしては良さそうな本だが、うちの会社の新卒一年目の課題図書として考えるとベストではなさそう。志が高すぎて実感が伴わない、「へぇー」で終わりそうな気がする。
リストに入れるにしても、必読ではなく「興味あれば読んでね」くらいが良さそうだ。
自分自身にとってもそこまでクリティカルな刺さり方はしなかった。
元々「ゼロ・トゥ・ワン」の領域は苦手で、「誰かが生み出したワンを大きく育てる(=プロデュースする)」ところに自分の価値を見出している。
「ワン」を生み出してくれる誰かと出会えたときこそが、ほんとうの意味で本書の内容を活かす機会になるのだろう*1
▼スタートアップ界の戒律
- 小さな違いを追いかけるより大胆に賭けた方がいい
- 出来の悪い計画でも、ないよりはいい
- 競争の激しい市場では収益が消失する
- 販売はプロダクトと同じくらい大切だ
▼ビジネスを成功させるための7つの質問
- エンジニアリング:段階的な改善ではなく、ブレークスルーとなる技術を開発できるだろうか?
- タイミング:このビジネスを始めるのに、今が適切なタイミングか?
- 独占:大きなシェアが取れるような小さな市場から始めているか?
- 人材:正しいチーム作りができているか?
- 販売:プロダクトを作るだけでなく、それを届ける方法があるか?
- 永続性:この先10年、20年と生き残れるポジショニングができているか?
- 隠れた真実:他社が気づいていない、独自のチャンスを見つけているか?
▼未来に対する4つのスタンス
- 明確な楽観主義:未来は自らの計画と努力によって良くなる
- あいまいな楽観主義:未来は良くなるが、具体的なビジョンはない
- あいまいな悲観主義:未来は良くないが、具体的な対策はない
- 明確な悲観主義:良くない未来に対し、真剣に備える
#09 「良い質問」をする技術
- 作者:粟津 恭一郎
- 発売日: 2016/09/30
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
会社蔵書。新卒社員研修用参考書その2。
こちらは読ませるためというより、研修を設計する上でのヒントになるかと思って読んだ。
わからないことをわからないままにしないで認識のすり合わせをしてから仕事にかかるのは社会人の基本だが、最初からできる人は決して多くない。むしろ曖昧な理解と思い込みで進めて手遅れになってからすれ違いが発覚するというのが、誰でも一度は経験するある種の通過儀礼になってしまっている。
せめて質問することに心理的なハードルを感じなようになってもらう、できれば仕事の質を高めるクリティカルな質問をできるようになってほしい、ということで「質問の習慣を身につける」を基礎研修期の目標のひとつにしている。
参考書としては半分正解、半分違うといったところ。
前半の「質問の4つの種類」などは、自分がしようとしている質問の「質」に注意を払うきっかけとなりそう。後半は著者の本業であるコーチングの文脈から「良い質問をして相手に気づきを与える」技術が深堀りされており、やや方向性が異なる。
後半はプロジェクトメンバーとの面談などで役立つかな? そういう意味では『ヤフーの1on1―――部下を成長させるコミュニケーションの技法』と系統的に近いと言える。
ところで「質問の技術」だとコーチング系や営業スキル系の本ばかりがヒットして、超初心者向けのノウハウはなかなか出てこない。
体系的にまとめた本を出せば売れるかも?
▼質問の4つの種類
- 軽い質問:答えやすいが気づきがない。相手との関係を良くするために使う。
- 重い質問:気づきにつながるが答えにくい。相手の意識を外部から自分自身に向ける。
- 悪い質問:答えにくいし気づきもない。相手との関係を配慮していなかったり、質問者の価値観を押し付けたりするもの。
- 良い質問:気づきを促す内容を、相手が答えやすい形で問いかける。本質を問うもの。
▼良い質問の8つのパターン
- 「本当に手に入れたいもの」を聞く
- 「仕事の大義」を聞く
- 「言葉の定義」を聞く
- 「反対の概念」を聞く
- 当たり前と思っていることを疑う
- 立場を変えてみる
- 今と未来について聞く
- オープン・クエスチョンで聞く
#10 会社の数字に強くなる!
- 作者:吉澤大
- メディア: ムック
会社蔵書。新卒社員研修用参考書その3。読ませる用の内容確認。
会社の「数字」というよりは「お金」の話。 4部構成になっており、それぞれ管理会計(粗利とか損益分岐点とか)・財務会計(BSやPL)・その他(売/買掛金、運転資金など)・給与明細を扱っている。
いずれも社会人、ビジネスパーソンとして非常に重要な概念。こうしてコンパクトにまとまったものはありがたい。 同種の本としては『人事屋が書いた経理の本』があったが、こちらのほうが現代的に整理されていてわかりやすいだろう。
ちなみにこのシリーズ(ビジマジpro)はプロジェクトマネジメント編も以前に読んだことがある*2。こちらもおすすめ。
前半と変わって、後半はあんまり読書に対するモチベーションはあんまり高くなかった気がする。そういうときもある。
マンガを読む機会が多かった。おもしろいものもあったので、できれば個別の記事を書きたい。でも現時点で書けてないってことはこのままフェードアウトかなぁ……。
月のペースは悪くないので引き続き年間目標に向けて頑張ります。
KnoN
Kindle Paperwhite 防水機能搭載 Wi-Fi 32GB 電子書籍リーダー
- 発売日: 2018/11/07
- メディア: エレクトロニクス
- 作者:本田 直之
- 発売日: 2006/12/01
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
*1:まあ、まだ自分が「ゼロ・トゥ・ワン」の起業家になることも完全に諦めているわけではないけれどね。
*2:読んだのはムック版だったが、再編集したものが単行本で出ている。
図解とマンガでわかる プロジェクトを成功させる技術[ハンディ版]