KnoNの学び部屋

大学に8年在籍した後無事に就職した会社員が何かやるところ。

2020年5月6月に読んだ本まとめ

しばらくサボってました。 5月〜6月はそもそも本を読んだ量が少なかったです。

7月までまとめてやろうと思ってましたが、7月は対照的にかなりの冊数読んでたので記事として独立させました。

2020年読了数: 19冊 / 50冊

★今回の一冊

グレート・ギャツビー (村上春樹翻訳ライブラリー)

グレート・ギャツビー (村上春樹翻訳ライブラリー)


#18 グレートギャツビー(村上春樹訳)

グレート・ギャツビー (村上春樹翻訳ライブラリー)

グレート・ギャツビー (村上春樹翻訳ライブラリー)

グレード・ギャツビー自体はこれまで何度も読んできたけれど、村上春樹訳は初めてなので新規にカウント。
ちなみにこれまで小川高義訳(光文社古典新訳文庫)、野崎孝訳(新潮文庫版、表紙違いで2冊)と3訳4冊読んでいる。好きすぎかよ。

最初に触れたのが小川訳の光文社古典新訳文庫で、大学一年生の時(2009年)。よほど面白かったのか、別の角度からも楽しんでみたくてすぐに野崎訳新潮文庫版を買って読み直した。
村上春樹訳も気にはなっていたけれど当時はまだ「村上春樹」というものへの距離感が自分の中でつかめておらず、文庫とは判型的にも価格的にも一回り違うこともあってそこでは手が出ずに10年以上が経ってしまった*1
その後『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』で一応の村上春樹デビューを済ませ(面白かったけどすぐに他作品も読み進めるという感じではなかった)、『ティファニーで朝食を』で「翻訳家・村上春樹」も通過したことで、ようやく向き合うことができた。

ずいぶん前置きでもったいぶったが、正直訳文としては野崎訳のほうが読みやすかった。少なくとも日本語の文章としては野崎訳のほうがこなれていると感じた。
村上春樹訳は「原語直訳」っぽい固さがある。それが原文の質感を残しているといえばそうなのかもしれないけれど、初めて読むなら野崎訳のほうがおすすめ(『ティファニー』は自然な感じで読めたのに……)。

内容については今更あまり語ることがない。というか語りだそうとすると長くて止まらない。というわけでオタクっぽく内容以外のところでこだわりを語る。

タイトルについて、"GREAT"を「華麗なる」と訳すことが多いようだが、個人的にはあまり好きではない。ギャツビーは一途な心を持っているが、そのあり方はむしろ不器用で泥臭く、スマートな印象のある「華麗なる」という形容にはそぐわない。あえて日本語に訳すなら、その生き様に敬意を表して「偉大なる」とする方がしっくりくる。偉大なるギャツビー

「彼女にあまり多くを要求しない方がいいんじゃないかな」と僕は思い切って言ってみた。「過去を再現することなんてできないんだから」「過去を再現できないって!」、いったい何を言うんだという風に彼は叫んだ。「できないわけがないじゃないか!」(p202)

本作を象徴するセリフ。このギャツビーという男の一途さ、ひたむきさ、そして哀れさが凝縮されている。よく考えてよく努力しているのに、スタート地点がおかしくて決してゴールにたどり着けない。ボタンを掛け違ってしまった男。

翌日はおそろしく暑かった。この夏おそらく最後の、そして間違いなく最高に暑い一日だった。(p207)

「五十丁目あたりの大きな映画館は涼しいのよ」とジョーダンが言い出した。「みんなが街から出ていったニューヨークの夏の午後って、私は好きだな。そこには何かしら肉感を揺さぶるものがあるの。熟れきっているというか、まるでいろんな愉快なかたちをした果物が、両手の中に片端から落ちてくるみたい」(p227)

我々が朝食を食べ終え、ポーチに出たのは九時だった。夜を境に気候が一変したらしく、空気にはすでに秋のにおいがあった。(p276)

「夏の暑さ」の描写は本作の中で特に好きなポイントの一つ。自分の小説でも夏を舞台にしたものが多い。熱に浮かされた感じが馬鹿げた人間関係を描写するのに適しているのだと思う。「秋のにおい」はリアルでも好き。

#19 ザ・モデル

※読書メモが行方不明だということに更新作業時に気づいた。見つかるまで更新引っ張るのも面倒なのでそのままアップしちゃう。
この本に関してはかなり読み込んで人にも勧めたので、そのうち単独で記事にしたいと思ってます。


7月分に続く。

KnoN

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  • 作者:本田 直之
  • 発売日: 2006/12/01
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)

*1:村上春樹訳の初版が2006年だと知ってかなり驚いた。14年前!